はじめに
ようこそ!『不思議な国のアドレス』へ
ここは、ネットワークの仕組みが譬え話でわかるようになっております。
インターネットの基盤であるネットワークの仕組みってわかりますか?
実は、ネットワークの仕組みの元は、コミュニケーションで、人間同士のコミュニケーションの仕方が反映されているのです。
そんなネットワークを人間同士のコミュニケーションを元に譬え話で述べてみました。
ネットワークで疑問に思っていたIPアドレスとMACアドレスの関係のところを重点に置いています。
プログラマ系やWEB系の人達が、なんとなく理解しているネットワークで、あ〜なるほどなって思っていただければ、幸いです。
では、ごゆっくり、ご覧下さい。
◆ インデックス
- 不思議な国のアドレス(プロローグ編)
- 不思議な国のアドレス(前編)
- 不思議な国のアドレス(後編)
- 不思議な国のアドレス(解説編)
- 不思議な国のアドレス(7層編)
- 不思議な国のアドレス(IPアドレス編)
- 不思議な国のアドレス(HTTPとMIME編)
- 不思議な国のアドレス(URLとURI編)
- 不思議な国のアドレス(DNSとリゾルバ)
- 不思議な国のアドレス(ARPとMACアドレス編)
- 不思議な国のアドレス(ブロードキャストとCSMA/CD編)
- 不思議な国のアドレス(機器編)
- 不思議な国のアドレス(TCP編)
- 不思議な国のアドレス(プロキシ編)
- 不思議な国のアドレス(ADSL編)
- 不思議な国のアドレス(https編)
- 不思議な国のアドレス(ウェブ小史編)
- 不思議な国のアドレス(エピローグ編)
◆ コンテンツ
不思議な国のアドレス(プロローグ編)
パケットとか、TCP/IPとか、良く聞くけど何だろうとか、IPアドレスがあるのになんでMACアドレスが必要なんだとか、パケットってどうやってネットワークの中を伝わった行くのだろうか……。
とまぁ、ネットワークに興味が出始めると、そんなことを思ってみたりするわけです。
そこで、そんな人(実は自分)のためにネットワークの基礎的なことを解説してみました。
ずばり、IPアドレスとMACアドレスの使われ方が分かると、80%はネットワークを理解できたことになると、私は思っています。
まず、通信する時に、最小のネットワーク内で、MACアドレスをブロードキャスト(放送)して、通信相手を見つけ出す。
その最小のネットワークに通信相手がいない場合は、今度は、IPアドレスをルーターがルーティングして別のネットワークにMACアドレスをブロードキャストして通信相手を見つけ出す。
そこにも、通信相手がいない場合は、また別のネットワークで通信相手が見つかるまでこれを繰り返す。
今は、なんとなくイメージがつかめればOKです。では、このイメージを頭に描きながら、そろそろ、 『不思議な国のアドレス』物語の始まりです。どうぞ、ごゆっくりご覧下さい。
不思議な国のアドレス(前編)
この国のすべての家の表札には、家名のみで、住所は書いてありませんでした。 また、その家名は、ユニークでした。つまり、家名については同姓同名が居ませんでした。
しかし、当然家に住んでいる人には、人名があり、こちらは、別にユニークではありません。普通の名前です。家名と人名は、全 く別ものと考えてください。
また、国内のすべての人は、隣の家に誰が住んでいるか、全く知りませんでした。不思議でしょう。
また、家の前には、郵便屋のIP(アイピー)おじさんとそのアルバイトのARP(アープ)君2人が、いつも待機していました。不思 議でしょう。
こんな不思議な国の『 X県Y市Z町1-1-1 』に住んでいるshiroさんは、mayaさんへ手紙を書きました。
shiroさんは、mayaさんの住所が同じ町の『 X県Y市Z町9-9-9 』に住んでいるのは知っていましたが、家名は知りませんでした。 p>
そして、shiroさんは住所を書いて、家名は書かずに、家の前にいる郵便屋のIPおじさんへ手紙を渡しましたとさ。
IPおじさんは、住所は分かりましたが、家名が書いていなかったので、アルバイトのARP君へ家名を調べるように依頼しました。 p>
この国では、すべての家の表札には、家名しか書いてありませんので、ARP君は、となりから一軒づつ「ごめんください、ここは、 『 X県Y市Z町9-9-9 』ですか」と聞き回ります。
何軒か聞きまくって、やっと『 X県Y市Z町9-9-9 』にたどり着きました。そして、たどり着いたmayaさん家の表札の家名を覚えて 、shiroさん家へ戻ります。
ARP君は、家にもどると、覚えたmayaさんの家名を手紙の宛先に書きこんで、IPおじさんにわたします。
こんどは、IPおじさんが表札の家名を見ながらmayaさん家を見つけ手紙を届けます。
そして、無事、手紙は、shiroさんからmayaさんに届きました。よかった、よかった。
そう、ARP君は、町内の全ての家へ住所に対する家名を聞きまくり、IPおじさんは、住所が分かっているにもかかわらず、家名のみ を頼りに手紙を届けます。
つぎに、shiroさんは、他県の『A県B市C町5-5-5』のhaohaoさんへ手紙を書きました。つづく。
ちなみに、以下は別名です。
- 家名 = MACアドレス
- 住所 = IPアドレス
- 手紙 = フレーム(パケット)
- 町内 = LAN
- 家 = ホストマシン(パソコン等)
予告
町内の外に手紙を送る場合は、関所(ゲートウェイ)通ります。次回は、そこの番人marumaruさんが登場します。
不思議な国のアドレス(後編)
前回は、不思議な国の『 X県Y市Z町1-1-1 』に住んでいるshiroさんが、同じ町内のmayaさんへ手紙を書き、無事に届きました。
今回は、町内でなく町内以外の『 A県B市C町5-5-5 』に住んでいるhaohaoさんへ、shiroさんは、手紙を書きました。
条件として、各家(関所含む)には、かならず、それぞれのIPおじさんとARP君が待機しています。
shiroさんは、haohaoさんの住所は上記のように知っていましたが、やはりまた家名は知りませんでした。
そして、mayaさんの時と同じように、shiroさんは住所を書いて、家名は書かずに、家の前にいる郵便屋のIPおじさんへ手紙を渡しま したとさ。
IPおじさんは、mayaさんの時と同じように、住所は分かりましたが、家名が書いていなかったので、ARP君へ家名を調べるように依頼 しました。
この国では、すべての家の表札には、家名しか書いてありませんので、ARP君は、となりから一軒づつ「ごめんください、ここは、『A 県B市C町5-5-5 』ですか」と聞き回ります。
何軒か聞きまくりますが、この町内は『 X県Y市Z町 』なので、『 A県B市C町 』のはずがありません。ですので、皆さんに違う違うと 言われてしまいます。で、やっとたどり着いたのは、関所でした。
関所で、同じく「ごめんください、ここは、『 A県B市C町5-5-5 』ですか」と尋ねると、番長のいや番人のmarumaruさんが出てきて、 『 X県Y市Z町 』以外なら、その手紙を持ってきなさい。
私の関所のIPおじさんに『 A県B市C町5-5-5 』へ送ってもらいましょう。と言い、とりあえず、関所の家名をARP君へ教えました。
ARP君は、家にもどると、教えてもらった関所の家名を手紙の宛先に書きこんで、IPおじさんにわたします。
こんどは、IPおじさんが表札の家名を見ながら関所を見つけ、番人のmarumaruさんへ手紙を届けます。
marumaruさんは、『 A県B市C町5-5-5 』への最適なルートで家名を求めるべく、関所のARP君へ依頼します。
関所のARP君は、別の関所XXXにたどり着き、XXX関所の家名を覚えて、『 X県Y市Z町 』の関所に戻り、 手紙の宛名の家名を書き換え、関所のIPおじさんに渡します。
こんどは、関所のIPおじさんが表札の家名を見ながらXXX関所を見つけ、そこのXXX番人さんへ手紙を届けます。
XXX番人さんは、『 A県B市C町5-5-5 』への最適なルートで家名を求めるべく、XXX関所のARP君へ依頼します。
XXX関所のARP君は、また別の関所YYYにたどり着き、YYY関所の家名を覚えて、XXX関所に戻り、 手紙の宛名の家名を書き換え、XXX関所のIPおじさんに渡します。
そうやって、つぎつぎに、家名をさがすARP君達、家名を頼りに手紙を届けるIPおじさん達、関所で届け先を最適なルートで指示して くれる番人さん達の連携によって、最終的に、『 A県B市C町5-5-5 』のhaohaoさんへ手紙が届きました。よかったよかった。
そうやって、分かっている人には当たり前で、分からない人にはチンプンカンプンの、そして、なんとなく分かっている人には、あー なるほどなって思う『不思議な国のアドレス』物語は、終わりを迎えました。めでたしめでたし...。
ちなみに、本文章を以下の単語で置き換えて読むと、インターネットの仕組みが、どんな感じかつかめるかも...。
- 関所 = ゲートウェイ(ルータ)
- 表札 = LANボード(NIC)
- 家名 = MACアドレス
- 住所 = IPアドレス
- 手紙 = フレーム(パケット)
- 町内 = LAN
- 家 = ホストマシン(パソコン等)
不思議な国のアドレス(解説編)
『不思議な国のアドレス』は、インターネットでのデータ通信が、どのようになっているのかを、譬え話 しで述べてみました。
はじめに、狭いネットワーク(LAN)では、アドレスなど要らず、各装置の名前でデータ通信が出来ます。つまり、全装置に対して 通信したい相手名を付けてデータを送信すれば、名前が一致した装置から、オレに何の用って感じで、通信が出来ます。一致しない装 置は、そのデータを捨てるだけです。
そして、その各装置の名前と云うのが、MACアドレスです。アドレスと云う名称ですが、実はアドレスではありません。単なる48 ビットの世界でユニークな番号なのです。
つまり、一つのネットワーク(LAN)では、MACアドレスで、『誰』と云うことが分かり、それだけで、データ通信が出来るわけで す。
しかし、インターネットでは、ネットワークが無数にくもの巣のように繋がった複数の広いネットワークですので、『誰』だけで はダメで、『何処の誰』でないとデータ通信が出来ないのです。
『何処の誰』の『何処』がIPアドレスで表現され、こちらは、単なる番号でなくて、ちゃんとしたアドレスなのです。
つまり、インターネットでのデータ通信は、一つのネットワーク内では、MACアドレスでアクセスし、そのネットワークに通信相手 が居ない時は、ゲートウェイがIPアドレスを調べ、現時点で最適な『何処』のネットワークを見つけ、つぎにそのネットワーク内をま たMACアドレスでアクセスし、通信相手を探し、また居ない時はと、同じような繰り返しをして、最終的に通信相手に辿りつける仕組 みになっているのです。
ネットワークネタは、まだまだつづく予定です。
不思議な国のアドレス(7層編)
突然ですが、ネットワークは、ISOでOSI 7層としてモデリングされています。
この一行が、すんなり理解できる人は、以下略(読まなくて)でOKです。
モデリングとは、現実とか実体を抽象化して、分かりやすくシンプルに表現することをいいます。
ISOとは、国際標準化機構のことで、工業分野での標準化を行っているところです。
OSIとは、開放型システム間相互接続のことで、7層毎にモデリングされたネットワーク・モデルを指します。
| 層 | 名称 | モデリング | プロトコル |
|---|---|---|---|
| 第7層 | アプリケーション層 | ネットワークの利用方法 | HTTP FTP DNS SMTP TELNET等 |
| 第6層 | プレゼンテーション層 | データの表現方法 | |
| 第5層 | セション層 | プロセス間の会話方法 | |
| 第4層 | トランスポート層 | 通信の信頼性 | TCP・UDP |
| 第3層 | ネットワーク層 | パッケトのルーティング | IP |
| 第2層 | データリンク層 | フレームのブロードキャスト | イーサネット |
| 第1層 | 物理層 | ビット列の電気信号化 |
インターネットでは、1〜2層がイーサネットで、3〜4層がTCP/IPになっています。
イーサネットでは、MACアドレスをブロードキャストで求める処理等で、TCP/IPは、IPアドレスでパッケトをルーティングしたり、信 頼性などのチェック等です。
とにかく、インターネットでの通信を理解するためには、2層と3層が最重要ポイントです。『不思議な国の アドレス』で、その辺を重点的に解説しています。
あと、5層〜7層は、表の通りで、通信するための前準備ってとこでしょうか。
尚、1層のプロトコルには、実際は、イーサネット以下にもFDDI(ファイバー分配インターフェース)等複数あります。
不思議な国のアドレス(IPアドレス編)
インターネットをするためのPCには、すべて、IPアドレスがついています。
IPアドレスは、主にインターネットに繋がっているサーバーやPCの番地(アドレス)です。
人間には、IPアドレスと表裏一体のホスト名+ドメイン名が使われるのが普通です。
今日は、そんなIPアドレスのお話しです。
ずっと、IPアドレスで、いまさら聞けない疑問が2つありました。
しかし、この間ご紹介したサイトの3 Minutes Networkingで 、氷解しました。
1は、電話番号市外局番の例で妙に納得出来ました。東京と大阪は2桁、横浜市や京都市は3桁の例。
2は、閉じたネットワークでは、論理アドレスという概念から自由なアドレスは間違っていないが、1が、クラスフルアドレッシ ングでつけられていて、ネットワーク機器もそのように設計されているので、自由なアドレスでなくて、プライベートアドレスが好ま しいということらしい。
もっと、IPアドレスが知りたい人は、以下のページで!
不思議な国のアドレス(HTTPとMIME編)
HTTP(HyperText Transfar Protocol)は、主にIE等のブラウザとWWWサーバーが通信する時に使用されるプロトコル(約束事)で す。
一方、MIME(Muitipurpose Internet Mail Extensions)は、E-MAILのプロトコル(RFC822) を拡張した規格です。
なぜ、拡張が必要だったのかは、RFC822では、メール本文等が英語のテキストオンリーだったため、英語以外を使いたいとか、画 像データを使いたいとか...。
で、HTTPにメールのMIMEが使われていて、この2つが、ごっちゃになって、どう違って、どう同じなのか...、以下のサイトで調べ てみました。
どうやら、MIMEの一部が、HTTPへ取りこまれたらしい...、ですのでCGI等で『MIMEを設定する』とかは、『HTTPのレスポンスヘ ッダを設定する』の方が正解かも。
不思議な国のアドレス(URLとURI編)
どうも! 今日は URL についてお話ししましょう。
最近は、URI とも言いますが、実は、凄く込み入っているんです。この辺の事情が...。
WWWの初期1995年前後は、URLは、Universal Resource Locatorの略で、リソースのある場所を指すものでした。
リソースのある場所とは、たとえば、http://chaichan.lolipop.jp/src/shikan6.htmのことです。
しかし、1998年から、W3CはURLという呼称をSTOPさせて、すべてURI(Uniform Resource Identifiers) と言うようになりました。しかも、URN(Uniform Resource Name)と言う、場所は問わずに "物" そのものを一意的に識別する名前も 追加されたのです。
また、従来のURLは、Universal Resource LocatorからUniform Resource Locatorに名前変更され、つまり、URI=URL+URN となった のです。
しかし、URNは一つのスキーム(urn)で、URLは、httpやftpなどの複数のスキームの総称です。
ですので、URIは、スキームhttp、ftp、urnのスキームを表す総称なのです。
つまり、
URI=URL+URN
↓
URI=http+ftpなどスキーム + urnスキーム
になり。
結果的に、これからは、URLでなくURIと言った方がいいようなのです。なんか、凄く込み入っているでしょ...。
不思議な国のアドレス(DNSとリゾルバ編)
ブラウザ(UA)からURIを入力してエンター キーを押すと、普通URIは、ホスト名 a>+ドメイン名+仮想パス+HTMLファイル名になっていますので、IPアドレスに変換をしてあげないといけません。なぜ、いけないのかは、ホスト名とかド メイン名は、人間には分かり易いのですが、プログラムには分かり難いからです。
ですから、ブラウザは、ソケットライブラリ(gethostbybname)を使ってDNSサーバへホスト名のIPアドレスを教えてもらいます。
このように、DNSでIPアドレスを調べること名前解決と云い、調べてくれるプログラム(gethostbybname等)をリゾルバと云 います。
ちなみに、解決は、resolutionで、解決する人やプログラムは、resolver(リゾルバ)です。
不思議な国のアドレス(ARPとMACアドレス編)
前回、ブラウザから見たいページのURI(ホスト名+ドメイン名)に対するIPアドレス(for ネットワーク 層)をリゾルバで求めると言いましたが、実は、これではまだダメで、もう一段階下のMACアドレス(for データリンク層)を求めな ければいけません。
MACアドレスは、LANボードNIC(Network Interface Card)に付けられた48ビットのユニークな番号です。
これは、IPアドレスからARP(Address Resolution Protocol)でMACアドレスを求めます。
リゾルバでDNSサーバにアクセスして、ホスト名+ドメイン名からIPアドレスを求めたように、 ARPで通信相手のNICやルータにアクセスして、IPアドレスからMACアドレスを求めます。
これで、やっと見たいページへアクセスができる状態になり、インターネットへデータを送り出します。
なぜ、IPアドレスでなくMACアドレスでなければならないのかは、いろいろな理由がありますが、あえて以下略。
ちょっと大雑把すぎますが、識者の方ご勘弁を...。
不思議な国のアドレス(ブロードキャストとCSMA/CD編)
前回、ARP(Address Resolution Protocol)で通信相手のMACアドレスがわかりました。
では、ARPは、どのようにMACアドレスをもとめたのでしょうか?
それは、ネットワークに繋がっているすべてのマシン(ノード)へ通信相手のIPアドレスもったマシンはないかと聞き回るのです 。該当しないマシンはそれを無視し、該当したマシンは、自分のMACアドレスを返します。このように、すべてのノードに対して、通 知する型をブロードキャスト型といいます。
これで、通信相手のMACアドレスがわかりました。
つぎに、データを送るのですが、伝送路が1本しかないので、誰かが送っている最中は送信ができません。空いてる時にデータを 送ります。しかし、その時でも別の人のデータと衝突する場合が起こり得ます。その時は、少し待ってから再送(バックオフ)します 。
このように、『回線が空いているかチェックする(CSキャリア検知)』、『空いていれば一定時間待ってから送信する(MA多重アクセ ス)』、『衝突が発生したかどうかチェックする(CD衝突検出)』、『発生した場合、少し待ってから再送する(バックオフ)』制御方式 をCSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection)といいます。
不思議な国のアドレス(機器編)
ネットワーク機器には、リピータ、ハブ、ブリッジ、ルータ、ゲートウェイとありますが、各々どのような役割か、わかりますか?
インターネットは、ご存知のように世界へくもの巣上に、はりめぐらされた大きなネットワークです。地球の裏側までも信号がちゃんと届かなければなりません。ですので、減衰した信号を増幅したり、整形したりするのが、リピータとハブの役割です。つまり、リピータとハブは、物理的な電気信号を処理します(物理層)。
インターネット上の個々のネットワークは、MACアドレスでアクセスします(解説編参照)。ネットワークとネットワークをブリッジで繋ぐと、ブリッジがそこを通ったフレーム(パケット)のMACアドレスを、繋いだネットワークのどちらにあるのかを覚えます。次回からそれをフィルタとして利用し、効率的にフレームを流すことができるようになるのです(データリンク層)。
しかし、ブロードキャストの場合には、いつもネットワーク全体にパケット(フレーム)が流れることになり、トラフィック(交通量)が増大します。つまり、ブリッジでネットワークを繋いでいくと、ブロードキャストのトラフィックが増えてしまうのです。そこで、IPアドレスで制御できるルータ(ゲートウェイ)で繋ぎます。すると、ブロードキャストをIPアドレスにより遮断でき、トラフィックを減少させることができるのです(インターネット層)。
つまり、ブリッジでは、個々の端末との通信では、効率的にフレームを流すことが可能ですが、ブロードキャストでは、すべての端末と通信するので、ネットワーク全体にフレーム(パケット)が流れてしまうのです。そこで、ブリッジではなく、ルーターやゲートウェイで繋ぐとIPアドレスを見てネットワーク全体にパケットが流れないようにする制御ができるのです。
まとめると
- リピータやハブは、減衰した電気信号を増幅したり、整形したりします(物理層)。
- ブリッジは、ネットワークを繋ぎ、MACアドレスレベルでフレームをフィルタリングします(データリンク層)。
- ルータやゲートウェイは、IPアドレスレベルでパケットをフィルタリングしたり、ルーティングを行います(インターネット層)。
◆ブリッジとルーターとゲートウェイとデフォルトゲートウェイとプロキシの違い
ブリッジは、LANとLANを繋ぐだけ、つまり、OSI データリンク層レベルなのでIPアドレスの制御ができません。よってブロードキャストを止めることができません。
ルーターは、LANとLANを繋いで、そして、OSI ネットワーク層レベルなのでIPアドレスの制御ができます。よってブロードキャストを止めることができます。
ゲートウェイは、主に社内LANからインターネットにつなぐルーターのことを言うみたいです。
デフォルトゲートウェイは、インターネットにつなぐとき、デフォルトで使うゲートウェイ(ルーター)です。
プロキシは、OSI5層〜7層対応し、社内LANからインターネットにつなぐサーバーです。
ゲートウェイとプロキシは、ともにインターネットにつなぐ役割が主ですが、ゲートウェイがパケットをIPアドレスで制御するの対して、プロキシはIPアドレス文字列やドメイン名のレベルで制御します。
不思議な国のアドレス(TCP編)
まだまだ、続くよ、不思議な国のアドレス物語...。
まず、物理層の主な仕事は、フレームを電気信号に変えてLANケーブルへ送り出すことです。
つぎに、データリンク層の主な仕事は、ブロードキャストでLAN内の通信相手を特定し、フレーム(パケット含む)を送り届け ることです。
そして、ネットワーク層の主な仕事は、IPアドレスでインターネット内の通信相手のLANを特定し、後は、データリンク層に任 せ、パケットを送り届けることです。
しかし、データリンク層やネットワーク層では、エラーが発生した場合、簡単にフレームを破棄してしまいます。ですので、フレ ームが届く保証がありません。そこで、破棄したフレームを再送してもらう手順が必要になってきます。これをトランスポート層が担 当します。
あと、トランスポート層の主な仕事は、アプリケーションからポートを通してデータをもらい、そのデータを分割してセグメント にしたり、逆にセグメントを連結してデータにし、ポートを通してアプリケーションへ届けます。
このような、トランスポート層での手順をTCP(Transmission Control Protocol)といいます。
不思議な国のアドレス(プロキシ編)
昨日予告したHTTP編より先に、プロキシ編、ADSL編、PPP編で攻めてきたいと思います。
さて、プロキシですが、プロクシともいい、代理と云う意味です。
そう、自分のPC(ホスト)の代理に通信をしてくれるサーバーをプロキシサーバーと云います。
代理することのメリットには、IPアドレスの有効利用、セキュリティ、キャッシュによるスピードアップ等があります。
通常、会社などのLAN内は、プライベートアドレスでアクセスし、インターネットに出る時にプロキシサー バーでグローバルアドレスに変換してアクセスします。
プロキシサーバーでは、「プライベートアドレス+ポート番号」と「グローバルアドレス+ポート番号」の対応変換テーブルを持 っていて、ずばりIPアドレスの有効利用のポイントは、実はポート番号にあるのです。
たとえば、LAN内に100台のプライベートアドレスのホストがあり、全員が同時にインターネットをしたとします。すると、相手先 が皆グローバルアドレスなので、すべてプロキシサーバーにアクセスが集まります。
プロキシサーバーは、一つのグローバルアドレスでポート番号を適当(実際は少し制限があります)に100個割り振り、100台との 通信を一つのグローバルアドレスで対応できてしまうのです。
つまり、グローバルアドレス(IPアドレス)が同じでもポート番号が違えば、別々に通信が出来るのです。
また、セキュリティとしては、ファイヤー ウォールとして機能します。
LAN内からインターネットへは、相手先がグローバルアドレスなので、プロキシサーバーを特定でき、プロキシ経由で相手と通信が できます。(なぜ、相手先がグローバルアドレスだとプロキシサーバーが特定出来るのかは、『不思議な国のアドレス』シリーズを全 読してみてください。)
しかし、インターネットからLAN内へは、相手先がプライベートアドレスなので、プロキシサーバーを特定できないのです。つまり 、インターネットからLAN内へはアクセスが出来ないのです。
どうしてもアクセスしたい場合がある時は、対応変換テーブルに登録すれば、可能になります。
あと、もう一つメリットがありますが、それは内緒です。もしかしたら、デメリットかも...。
不思議な国のアドレス(ADSL編)
今日は、ADSLについてお話しします。
ADSLは、あの貧弱な普通の電話線を使って、なんと数Mbpsのスピードでインターネットが出来ます。しかし、下りと上がりでスピードが違い、下りは8Mbp程度、上がりが640Kbps程度です。 (下りは、サーバーからホストで、上がりは、ホストからサーバー)
しかも、インターネットと同時に電話通話もできます。 ちなみに、ISDNは、128Kbps(2回線)で、インターネットと同時に電話通話はできません。
で、3つの疑問です。
- なぜ、下りと上がりでスピードが違うのか?
- なぜ、インターネットと同時に電話通話もできるのか?
- なぜ、普通の電話線でISDNを凌駕するスピードが出るのか?
なぜ、下りと上がりでスピードが違うのか?
本来ADSLは,VoD(Video on Demand)を行うためのサービス回線として,米国で考えられました。
ですので、Videoコンテンツのダウンロードがメインで、下りが8Mbps程度,上りが640kbps程度の転送速度が想定されたらしいです。
つまり、その回線を利用して,各家庭にテレビ番組や映画などを双方向で提供しようというものであったようです。
したがって、もともとインターネットの接続用としての規格ではなかったのです。 こんな歴史があり、下りと上がりでスピードが違うわけです。
なぜ、インターネットと同時に電話通話もできるのか?
インターネットで使う周波数帯と電話通話で使う周波数帯が全く別なので、 同時に同じ電話線を使っていても、スプリッタと云う機器で分別が出来るのです。
ですので、インターネットと同時に電話通話ができるのです。
なぜ、普通の電話線でISDNを凌駕するスピードが出るのか?
回線(インターネット)に流れるデータは、実は、0と1のデジタル信号をアナログ信号に変換したものです。0の時は信号の振幅が小さく、1の時は信号の振幅が大きい、てな感じで1ビットを表現します。
そして、従来1ビットで表現していたところを、信号の振幅の大きさを段階的に増やして、表現できるビット数を増やすことが可能なのです。つまり、同じスピードで流れるデータ量を段階的に増やせるわけです。
また、振幅だけでなく、位相も段階的にずらせば、表現できるビット数が段階的に増えます。 つまり、振幅と位相を段階的に増やすことにより、従来1ビットで送っていたところを、何十倍何百倍(振幅の段階分×位相の段階分)で送れるようになるのです。これが、スピードが出る理由です。
不思議な国のアドレス(https編)
httpでなくhttpsです。sはSecure のsです。みなさんも、『http://』でなく『https://』からはじまるURIのWEBページにアクセスしたことがあると思います。『http://』と『https://』のWEBページは、見た目は同じですが、内部的に大きく異なります。
それは、主に『認証』と『暗号』の2つです。
『https://』でのブラウザとWWWサーバのやり取りの概略を以下に示します。
- 始めに、ブラウザから『https://』のWEBページにアクセスすると、WWWサーバとブラウザの間で双方で使用できる暗号を確認し、決定します。
- つぎに、ブラウザは、WWWサーバからの証明書を受け取り、証明書内の『認証局』で署名された電子署名を予め持っている公開鍵により解読して正当性を確認します。(要はWWWサーバが本物かの確認)
- 正当性を確認したら、ブラウザは次ぎに、通信で使用する共有鍵を生成し、先のWWWサーバの証明書に含まれていたサーバの公開鍵(予め持っている公開鍵とは別物)で暗号化して、WWWサーバに送信します。
- WWWサーバは、それを秘密鍵で復号化して共有鍵を求めます。
- 以後は、この共有鍵で暗号化された電文をHTTPベースで通信します。
たぶん質問が3つあると思います。
- 『認証局』って何だ?
- 公開鍵、秘密鍵、共有鍵って何だ?
- ブラウザが予め持っている公開鍵って何だ?
『認証局』って何だ?
たとえば、httpsで暗号化して情報のやり取りをしても、WWWサーバが偽物だった場合は、暗号化は無意味です。
そこで、WWWサーバは、『認証局』(ベリサイン等)という現実世界ではお役所みたいなところから認証を得て、本物であることを証明してもらうわけです。
公開鍵、秘密鍵、共有鍵って何だ?
これらは、私が説明するより...。
と、云うことです。
ブラウザが予め持っている公開鍵って何だ?
IE(WINDOWS)では、実は、結構沢山の認証局の公開鍵をレジストリに持っています。メニューバーのツールから確認ができます。ツール内のインターネットオプションから辿ってみてください。
インターネットオプション->コンテンツ->証明書->信頼されたルート証明機関->選択->表示->詳細
そこに「公開キー」として、予め持っているわけです。
つまり、ここに登録されている認証局から『認証』されたサイトへは、アクセスができるわけです。
しかし、登録されていない認証局から『認証』されたサイトでも、その認証局を『認証』した認証局が登録されていれば、確認メッセージはでますが、アクセスが出来ます。つまり、親(祖先)の認証局が登録されていれば、アクセスができるわけです。
まとめです。
『https://』でアクセスすることは、相手(WWWサーバ)を認証(本物か確認)出来て、通信の電文は暗号化される。つまりWEB上でセキュア(secure)な環境が実現できるということです。
にわか勉強なので、間違えが多々あるかもしれません。ご指摘よろしくお願い致します。ちなみに以下のサイトを参考にさせていただきました。
不思議な国のアドレス(ウェブ小史編)
今日は、WWWの歴史についてのメモです。
まずは、以下の流れになっています。
- 1965年 - (米が北ベトナム爆撃開始)
テッド・ネルソン氏が、ハイパーテキストの概念を発表。
- 1969年 - (アポロ11号が人類初の月面有人着陸)
-
IBM が、SGMLの元となるGML(Generalized Markup Language)を開発。
米国国防総省が、インターネットの基礎となるネットワークARPANEを開始。
- 1971年 - (ドル・ショック - アメリカが金・ドル交換の停止)
-
イーサーネット(Ethernet)が米Xerox社のパロアルト研究所(PARC: Palo Alto)で開発された。
- 1981年 - (ダイアナ妃、イギリス王子 チャールズと結婚)
-
TCP/IPを実装したUNIX(4.1)の開発。
- 1983年 - (大韓航空機撃墜事件)
-
TCP/IPがARPANETの標準プロトコルとなる。
- 1986年 - (スペースシャトルチャレンジャー号爆発事故)
-
CompuServe社が、画像フォーマットのGIFを発表。
- 1987年 -(ブラックマンデー 世界同時株安)
-
ISOでGMLを標準化し、SGML(Standard Generalsed Markup Language)と して勧告。
- 1989年 -(ベルリンの壁崩壊)
-
ティム・バーナーズ・リー氏が、HTTP,URL,HTMLを開発。
- 1990年 -(イラクがクウェートに侵攻。のちに湾岸戦争)
-
CERN(欧州素粒子物理学研究所)がWWWサーバーとWWWブラウザ を試作。
- 1992年 -(太陽神戸三井銀行がさくら銀行に改名)
-
ITUとISOが、共同で画像フォーマットJPEGを策定。
- 1993年 -(ビル・クリントンがアメリカ合衆国大統領に就任)
NCSAのマーク・アンドリーセン氏が、Mosaic 1.0 をリリース。
NCSA(イリノイ大学のコンピュータセンター)が、httpd 1.0 をリリース。CGIを実装。
- 1994年 -(SCEIがPlayStation発売)
ティム・バーナーズ・リー氏が、W3C(WWW Consortium)を設立。
Netscape社が Netscape Navigator 1.0 をリリース。
- 1995年 -(阪神大震災発生&地下鉄サリン事件)
スタンフォード大学生二人がYahoo社を設立。
Microsoft社、Internet Explorer 1.0 をリリース。
IETFが、HTML2.0(RFC1866)発行。
- 1996年 -(羽生善治が史上初の将棋タイトル七冠達成)
NN3とIE3リリース。JavaScript等が実装される。
W3Cが、CSS1.0(Cascading Style Sheets)を勧告。
- 1997年 -(消費税 5%)
W3Cが、HTML3.2 を勧告。Macromedia社が、Flashを発売。
NN4とIE4リリース。W3Cが、HTML4.0 を勧告。
- 1998年 -(郵便番号7桁化)
W3Cが、XML1.0(eXtensible Markup Language)とCSS2.0 を勧告。< /p>
スタンフォード大学生二人がGoogle社を設立。
- 1999年 -(携帯電話番号11桁化)
IE5リリース。W3Cが、HTML4.01を勧告。
- 2000年 -(新紙幣 2000円札発行)
W3Cが、XHTML1.0 を勧告。ISOが、ISO-HTML(ISO/IEC 15445:2000)を勧告。
NN6リリース。W3Cが、XHTML Basic を勧告。
- 2001年 -(アメリカ同時多発テロ事件9.11)
W3Cが、XHTML1.1 を勧告。IE6リリース。
感想
Yahoo社とGoogle社は、ともにスタンフォード大学の二人の学生が興したのですね。
Netscape社とMicrosoft社のブラウザ戦争は、W3Cの勧告を比較的受け入れたIEに軍配。W3Cの勧告を全面的に受け入れたNN6時点で は、すでに手遅れでした。
HTMLは、徐々にXHTMLへの流れなのですかね。
最後に、WWWの歴史での最重要ポイントは、ハイパーテキストの概念、TCP/IPのUNIX実装、 そして、HTTP,URL,HTMLの開発ですね。
不思議な国のアドレス(エピローグ編)
よく、ここまで、辿りつきましたね。拙い文章を読んで頂いて、深く感謝致します。
本コンテンツが、ネットワーク理解の元になれば、幸いです。
では、また、お会いしましょう!